奥秩父・真ノ沢

  • 2020年6月1日

奥秩父にある真ノ沢の記録になります。
この真ノ沢は首都圏を流れる荒川の源流部の沢で、荒川に最初の一滴を落とす沢となります。ここを起点として滝川・大洞川・中津川の水を集め、秩父盆地を通過し、さらには高麗川・入間川などが流入し、河口部では隅田川を分け、最終的には東京湾に注ぎこみます。

ちなみに、荒川の秩父湖より上流は上図のように、入川水系・滝川水系・大洞川水系と3つの水系からなります。本流筋は入川とされ、この3つの川のそれぞれ一番奥の沢は下記になります。

・入川:真ノ沢(今回の記事)
・滝川:水晶谷
・大洞川:井戸沢

山行記

日時:2009/5/3(日)~2009/5/4(月) 前夜発1泊2日
経路:入川キャンプ場~柳小屋~真ノ沢~千丈ノ滝~柳小屋~入川キャンプ場
天気:晴れ

1日目

入川キャンプ場が車止めになります。

河原はこんな感じ。ここから、暫くは歩きになります。

写真は別の時に取ったものですが、登山道沿いには、赤沢谷出会いまで森林軌道跡(鉄道)が続きます。鉄道といっても、今でいう電車のレールではなく、物資を運ぶトロッコの為のレールです。戦前に作られ、伐採木・木炭の運搬に使われ、昭和45年に廃止されたようです。人の歴史が感じられ、奥秩父はこういった味わい深い道が各所にあります。

柳小屋。
思った以上の立派な非難小屋です。車止めから4時間位かかります。

中を覗くと、先行者が既に使用しているようでした。

柳小屋前の入川を渡る吊り橋。正面に見える枝沢は松葉沢。

柳小屋から登山道を暫く登り続けます。登山道から千丈ノ滝が見えてきました。

今回はタイトに沢を詰めるのでなく、千丈ノ滝の見学をメインに据え、大学時代の友人とキャンプ釣行という形を取りました。千丈ノ滝は明日にとっておき、真ノ沢を竿を出しながら遡ります。

千丈ノ滝の手前まで戻り、幕場を探します。
まずは設営。パートナーのアライテント。エアライズというモデルだったかな。

焚火も始めます。軽く釣りをして、晩飯の用意に入りました。

豚汁。ちょい寒なので、濃い味の汁物は最高です。

焚火は山での最大の娯楽。

2日目

朝飯はハムラーメン。

千丈ノ滝を目指します。奥秩父の最深部の谷は、GWだとまだ新緑の森にならず、少し荒涼とした感じです。あと2~3週間位で、若芽が森を多い、清涼感と生命力に溢れる空間になります。

そして、いよいよ千丈ノ滝です。50mの2段滝になります。

シャッタースピードを長くして、水をこういった絹状にすると、また違った味わいになります。

大きさを伝える為には、人を配置するとわかりやすいのですが、こんな感じです。大分手前だし、滝も捩れているので、あまり伝わらないかな。

左岸は丘状になっており、ここを登ると1段目を見渡せる位置に立つことができます。

釜は小さいです。

落ち口の水しぶきも撮ってみます。

遊んだ後は、帰りも長いので、引き返します。

降って柳小屋。こんな看板があります。
源流地帯は「秩父古生層」という地質です。秩父は地質学の発祥の地といわれ、秩父古生層とは日本の古生代の地層の総称となっているようです。山をやっていると地質にも興味を持つようになります。

柳小屋で、昼食を取り、車まで戻ります。

赤沢谷出会いに着くと道しるべに繋がれた犬が…犬はいいな、いつか飼いたい。

総評

車止めから柳小屋まで4時間かかるので、とても奥深いところであります。が、主稜線ということもあり、人の手の入ったルートという印象を感じました。井戸沢のような両岸断崖絶壁で人を全く寄せ付けないというほど険しい感じではありませんでした。この沢伝いに、甲武信岳まで詰め上がることを体力のあるうちに是非やってみたいです。登山道より先は、バリエーション・ルートになるので、それなりに充実感があると思います。