丹沢・原小屋沢

  • 2020年4月23日

丹沢の沢、初投稿になります。今回の記録は東丹沢の早戸川水系・原小屋沢です。丹沢の沢にしては、堰堤が少なく、山本来の原始の姿を残した数少ない沢で、バリエーションに富み、記憶に残る良い沢です。

また、今回の原小屋沢は秋の八久和川遡行に向けて、アプローチが長いことから、新しいツール(レッキングポールとアクアステルス・ソールの沢靴)のテストの場でもありました。

【山行記】

日時:2007/07/23(月) 前夜発日帰り
経路:車止め~伝道~雷平~大滝沢分岐~雷滝~バケモノ滝~ガータゴヤの滝~原小屋平~姫次~大平分岐~車止め
天気:小雨

ブラックダイヤモンド トレイル・コンパクト
フリックロック・システムというクリップ式を採用したモデル。
秋に目標としていた八久和川遡行は山越えでの入渓を計画していた為、アプローチが5~6時間もかかります。この山歩きの負荷を軽減する為、ストックを導入してみました。いきなり本番で使って、要所を抑えた使い方ができないと困るので、今回の原小屋沢で試金石としてみました。

キャラバン 奥利根(アクアステルス・ソール)
同じく秋の八久和川遡行を見据えて、アプローチ兼沢靴の為に購入しました。同様に、アクアステルスの使い方を本番で見誤らないよう、事前に癖を見抜くために原小屋沢で使用してみました。

【1日目】

雷平を過ぎ、原小屋沢分岐の先から入渓。

序盤は巨岩帯で、ダイナミックな渓相が続きます。

雷滝。幅広で15m位の立派な滝。いい感じです。

バケモノ滝。この名前が付いたのは、うっそうとした雰囲気の中にある滝だからでしょうか?それとも奥秩父の花魁淵のように、歴史的悲劇の由緒とかあったりするのでしょうか?

3段滝。調和の取れた綺麗な滝です。

ガータコヤの滝(30m)。幅広で複雑な造形の岸壁を伝う水とのバランスが特徴的です。雨の中、幻想的な雰囲気も醸し出し、今も心に沁みついています。

ガータコヤの滝の高巻き中に大ミミズを発見。あまりにデカいので、メジャーでサイズを測り写真を撮る。45cm。

ガータコヤの滝を過ぎると、藪漕ぎや急登の詰めはなく、穏やかな勾配で源頭に至ります。最後の詰めはいつも辛いので、こういうのは癒されます。

水も無くなり、原小屋平の尾根道へ到着。後は尾根下りです。

姫次の休憩所

最後に早戸川の渡渉をし、車止めまで戻ります。しかし、この渡渉でヒルが下半身にビッシリ付いて、びっくりしました。丹沢は山ヒルをはじめ、ヒルが多いのです。

【総評】

いやはや、期待以上に素晴らしかったです。水量が多く、丹沢とは思えないスケール感。特にガータコヤの滝には感動しました。規模的には、奥秩父水晶谷と同じ位のスケール感です。これまで行った丹沢の沢で一番良かったです。

そして、新しい装備として導入したアクアステルスの沢靴はかなり高評価です。ほとんどすべての面において、フェルトを凌いでいます。
ストックの効果は、沢ではあまり使いませんでしたが、林道歩き(特に下り)では、相当体力を軽減できた感じがします。沢靴・ストック、八久和に向けて戦力となる体感を得ることができました。ほぼ計算通りの効果。

天気の良い時にまた是非行ってみたい沢です。
ちなみに早戸川のある東丹沢は、奥の方は公共交通機関では行きにくいことから、人臭くない沢行を楽しむことができるので、おすすめです。