登山靴について

山道具で優先順位の高いものの一つとして登山靴があります。

人間の足の形はそれぞれ異なり、ぴったりが好き、緩いのが好き、といった個人の趣向もありますが、汗や匂いが付いたりもするので安易に貸し借りの難しい、極めてパーソナルな道具の一つだと思います。また、合わない靴を履いているというのは、不愉快なだけでなく、山では非常に危険なことでもあります。

靴の分類

私の山行形態だと、5つに分類されれます。

分類用途特徴重量ザックリ価格
軽登山靴春夏秋(3シーズン)登山靴とソールの間にシャンクがなく、靴底が曲がる。重登山靴と比べると柔らかく軽い。中(0.5~1.5kg)1万円~5万円
重登山靴雪山登山靴とソールの間にシャンク(板)が入っており、靴底が曲がらない。保温材が入っている場合もある。重(0.8~2.0kg)2万円~15万円
クライミングシューズ岩登り、ボルダリングソールが岩のグリップに強い専用のもの。キツキツフィット。軽(0.3~0.5kg)0.5万円~2万円
沢靴沢登り、渓流釣りソールが川底で滑らないようになっている。素材はフェルトや専用ゴムソール。軽(0.5~0.8kg)0.5万円~2万円
休息用靴幕場休憩くつろげれば良し。クロックスもいいが、少しかさばる。軽(0.2~0.5kg)

実物紹介

また、イメージを持ってもらう為に、自分の靴の写真を掲載します。汚くてすいません。

 
重登山靴 SPORTIVA NEPAL EVO GTX
  

 

沢靴 秀山荘 Climb Zone Super Pro
  
クライミングシューズ FIVE TEN モカシム
  
ドンキで買ったビーサン

一般的に、登山靴というと軽登山靴を指します。登山用品店にある6~7割は軽登山靴です。
軽登山靴と重登山靴の一番の違いは、靴とソールの間にシャンクと呼ばれる樹脂製の板が入っていることです。この為に靴が重くなります(あと、保温材も重さの要因)。シャンクを入れる理由はアイゼンを付ける為で、アイゼンとは氷の上で滑らないよう靴の底につける鋼鉄の爪のことです。シャンクを入れないと、靴底が曲がってしまい、アイゼンが外れてしまいます。この為、重登山靴は靴底が全く反りません。軽登山靴しか履いたことない人が履くと、体重移動が上手くできず体がガチガチになり、慣れるまで違和感があります。

山を始める場合、いきなり雪山・沢登り・岩登りはやらないと思うので、軽登山靴から選ぶのが一般的です。軽登山靴なら、無雪期のハイキングや縦走、時に町履きもできます。具体的には、高尾山・筑波山のような日帰りの山行から、奥多摩・秩父・アルプス等の縦走、軽度の雪山まで対応できます。

また、最近の傾向としては、ローカットでスニーカーに近いアプローチ・シューズトレイルランニング・シューズも使われることが多いです。重い荷物を持たない場合、足首を固定する必要はなく、かなり軽いので、快適だと思います。

なお、軽登山靴以外の特殊な靴は、別の記事で紹介したいと思います。

GOROの軽登山靴

ちなみに、上記写真の私の軽登山靴は、”軽”という割にごっつい印象を受けるかもしれません。軽登山靴とは、重登山靴でない総称で使われ、一般的にはもっとカジュアルで軽い製品が多いです。私は革靴が好きなので、少し重くてもこの靴を履いています。革靴の良いところは、使うほどに足になじむこと、愛着が沸いてくることです。また、化繊は使い込むど汚らしくなりますが、革は貫禄が出てくることです。

この靴は巣鴨にあるGOROというオーダーメイドの登山靴専門店の製品になります。自分の足のサイズを測り、足の癖を計算に入れた靴を作ってくれます。自分の足に合わせて作られた靴って、なんて贅沢なんでしょう。
※GOROは、かの植村直己の靴も作っていたほど、登山靴の世界では有名なお店です。でも、そこまでお高くありません。

GOROでは靴を作る時の採寸図を貰えますので、改めて自分の足の癖というものを認識します。私はそんなに左右の大きさの差はないけど、親指の指先が上向きがちなので、それを圧迫しないような作りにしてくれました。

以上、靴選びにあたり、皆様の参考になれば幸いです。

登山靴手入れ方法も、追って記事にしていきたいと思います。