直管蛍光灯のLED化

自宅照明LED化 検討&導入編」にある通り、一つだけ蛍光灯のままLED化出来ていない照明が残っていました。キッチンの直管蛍光灯です。今回はこれをついにLED化し、ようやく全ての照明をLED化することができました。下調べから、バイパス工事方法までを含め、記事にしてみました。

 

なぜ直管蛍光灯がLED化できていなかったか?

直管蛍光灯をLEDに交換する場合、まずは以下2つの方法が考えられます。

[1]土台やカバーを含めた照明器具そのものを交換
[2]土台やカバーは流用しつつ蛍光管のみをLEDに交換

ちなみに、シーリングライトを交換した時は[1]、電球を交換した時は[2]の方法でした。

[1]の照明器具そのものを変える場合は、「LEDベースライト」という感じの名前で販売されています。価格もそんなに高くありませんが、本体を固定する為に、天井にネジ穴を開ける必要があります。うちのマンションは天井が2重天井でなく、直に鉄筋コンクリートである為、穴を開けるには敷居が高いです。

この為[2]で検討し始めましたが、直管蛍光灯の場合、電球とは違ってただ交換するという訳にはいかないことがわかってきました。これは、既設の直管蛍光灯の点灯方式や、LED蛍光管の給電方式にいろいろな種類があり、接続を間違って使用すると火災などの事故が起こる可能性がある為です。

また、点灯方式やLEDの給電方式によって、バイパス工事が必要になったりします。このような事情から、蛍光灯が切れてからでも良いか?という状態になっていました。しかし、ここ最近蛍光灯が暗く感じるようになった為、とうとう交換に乗り出しました!

点灯方式

直管蛍光灯は点灯法式で分類すると、以下の3つに分かれるようです。

 

メーカーや機種によるかと思いますが、凡そこのような構成となっているそうです。

この3つのタイプに応じた工事不要の直管LED管が販売されています(蛍光管を交換するだけ)。

 

 

しかし、蛍光灯は安定器という回路を通じて、蛍光灯に電気を送る仕組みとなっている為、工事不要のLED蛍光管に取り替える場合、以下の2つのデメリットがあります。

①蛍光管を折角LEDに変えても、この安定器自体が電力を消費する為、節電効果が薄れる。

②安定器の耐用年数は8年〜10年といわれており、高寿命なLEDに替えても、安定器が先に故障する可能性が高い。LED蛍光管は約40,000時間が寿命の為、1日5時間点灯した場合、約27年持ちます。

この為、交換するなら安定器を外さないと意味が薄れ、その場合はバイパス工事が必要になってきます。ちなみに、バイパス工事は電気工事士の資格が必要です

給電方式

LED蛍光管を調べてみると、色々な給電方式があることがわかります。

そして、バイパス工事はLED蛍光管の給電方式に合わせて行う必要があります。

 

これ以外にもメーカーや製品毎に色々な給電方法があるようです。また、通常は電源内蔵されているようですが、電源非内蔵のものもあるようです。

片側給電が主流ということだったので、将来的な交換を考えると、片側給電でバイパス工事したいところです。しかし、ネットで片側給電のLEDはあまり販売されていないので、今回は両側給電のもので妥協しました。

自宅蛍光灯を調べる

 

自宅のキッチン照明のカバーと蛍光灯をはずし、様子を伺います。

 

照明器具の型番は National HA4040ME、2005年製造でインバーター式でした。
蛍光灯:37W、安定器:12Wで、計49W消費するようです。

 

配線を確認、電源→電源端子台→安定器→左右のソケットへ分岐しています。

 

安定器: National HKE40161

電源端子台:下側が電源側、上側が安定器側。電源側は「はずし穴」にマイナスドライバーを差し込めば、電線を抜くことができますが、安定器側は抜けそうにありません。

ソケットは、スナップイン取付というタイプらしく、リード線はピンで押せば抜くことが出来るようです。

対応方針と部品調達

現状を調査した結果、以下の方針で交換することに決定。

  • 工事不要タイプを付けるのでなく、バイパス工事を実施し直結する
  • LED給電方式は両側給電で妥協
  • スッキリさせたいので、安定器を本体からはずす
  • いつでも蛍光灯に戻せるよう、安定器周りの配線は切断しない
  • 配線系統はまるまる取り外す為、ソケットと端子台は交換する

 

図にするとこんな感じです(青:既設、黄:新設)。シンプルで良いです。

これを行う為、以下を購入。

  • LED蛍光管 ¥2,450
  • リード線 ¥192
  • 電源端子台 ¥250
  • ソケット ¥864

合計¥3,756。既設の配線を断線して、使い回す方法であれば、LED蛍光管のみの出費で抑えることができます。

 

LED蛍光管:エコ‐LED専門店 TENTL1200-36W

両側給電のLED蛍光管です。
色温度はこれまでと同じ昼光色(5000K)ですが、光量は5000lm(ルーメン)のモデルにしました。これまでのは3560lmの為、約1.5倍の明るさになります。

 

このLEDのバイパス工事の配線図。

 

リード線:VSF 0.75㎟ × 5m

 

電源端子台:WAGO WTB30-2

既設の端子台(左)が販売していなかったので、代替品を取り付ける狙いです(右)。

 

ソケット:uxcell 蛍光灯ホルダー 2A T8 ソケット G13

仕様書などで、サイズを確認(左:既設、右:今回購入)。コンマ何ミリと多少の違いはあるが、許容と判断。

バイパス工事とLED交換

 

工事前にブレーカーを落とします。

 

端子台より電線をはずし、ショートしないよう絶縁テープでカバーします。

 

いくつかのネジを外し、端子台と安定器を外します。

 

ソケットも外し、既設の配線系をすべて取り外したところ。

 

ここで今回1つ目の失敗。端子台をネジで固定するのですが、ネジが入りません。既設の端子台のネジの飛び出し部分は短いですが、購入したWAGOは長く、しかもタッピングねじ。天井はコンクリの為、穴を開けられません。こういうのって、てっきり標準規格と思いこんでいたので、これは想定外でした。

 

ネジを探しても丁度良いのはないだろうし、ねじ切りも手間なので、方針転換します。少しスッキリ感が失われますが、端子台でなくワンタッチコネクタでの接続に変更。

 

こんな感じ。

 

次に2つ目の失敗。左が既設のソケット、右がuxcell製で今回購入したものですが、幅と高さ厚さ、すべて調べて購入したつもりでしたが、取り付けても外れてしまいます。調べた結果、金具部分の「ひらバネ」の高さが足りなかった為です。

既製品を本体に取り付けた写真ですが(見えずらくて、すいません)、「ひらバネ」下部を本体のつっかかりで支える構造になっていました。端子台の時もそうでしたが、こういうのも、標準規格でないんですね。
これはさすがに見抜けませんでした。幸い既設のソケットは、リード線の再取り付けができるので、これを使い回すこととします。

 

リード線(より線)に半田付けします。

 

ソケットにリード線を差し込みます。

 

ソケットを本体に取り付け、LED蛍光管を付けて完了。ずいぶんとスッキリしました。

 

無事点灯。3500lm→5000lm への変更なのでさすがに明るい。勿論、ちらつきや光の不自然さもなく、明るさと共に光の質も向上しています。

 

最後の儀式、バイパス工事済みのラベルを作ります。フロッピーディスクのラベル・シールがあったのでこれに印刷。

 

照明器具に貼り付けます。これは非常に重要です。今のマンションにずっと自分が住む保証もなく、他人が蛍光灯を間違えて交換したら大変です。また仮に自分が住んでいたとしても、LEDの耐用年数から20~30年後の交換になるわけで、忘れている(ボケている)可能性が大いに考えられる為です

 

あとがき

 

最終的にこのような配線になりました。
時間があれば、コネクタではなく端子台に切り替えたいところです。

LED化した感想としては、配線もシンプルになり、明るく省電力にもなったのでとても満足しています。これで、LEDが故障さえしなければ、向う20~30年は交換を考えなくても良くなりました。住環境がまた一つ最適化されました。

だた、あまり知識のない人がやる場合は、バイパス工事(資格がない場合は業者に委託)が必要なことや、扱いを間違えると事故に繋がる可能性があるので、照明器具自体をLEDのもの(ベースライト)に変えるのがいいのではないかと思っています。

参考になりましたら、幸いです。

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