GARMIN 山岳GPS導入のメリット

 スマホの普及により、GPSは今では一般的になりましたが、私がGARMINの山岳GPSを使い始めたのは2005年です。きっかけは、奥秩父の沢でテント泊に行った時、滝の懸垂下降で滑落し、プチ遭難した時の再発防止として導入しました。これを持つようになってから、沢行が劇的に変化しました。

GPSのメリット

山行での現在地把握

 一般の登山コースと違い、沢では道しるべや案内版などはありません。この為、沢に行くにあたり、これまでは2万5千分の1の国土地理院の地形図とコンパスを持参してました。ちなみに、コンパスでの現在地特定は、磁石の方向と遠くの目標物という、2次元の情報があって成り立ちます。しかし、沢では谷の絶壁に囲まれてるので、目標物を設定しずらく、位置把握がかなり曖昧になります。地図上の大体ここら辺だろう、程度の位置把握しか出来てませんでした。

 しかし、GPSを使うと、自分はズバリ地図のここの点にいるとわかります(5m程度の誤差)。この差が実に大きいです。位置把握が高い精度でできると、道迷いによる体力消耗・時間ロスを防ぐことができ、行動計画が確実なものになります。特に初めて行く沢だと必需品です。

 私のGPSとセット品。山岳GPSは地図内蔵タイプと非内蔵タイプがあり、私は非内蔵タイプのものを所有しています。非内蔵タイプは、地図とマップポインターなる特殊スケールを使って、地図上の自分の位置を把握します。私が地図内蔵タイプを買わなかった理由はズバリ値段です。が、それだけではなく、下記2つの理由もあります。

  • 地図は全体を俯瞰して見たい(GPSの小さい画面では俯瞰性に欠ける)。
  • 電子機器なので、最悪壊れた場合に地図が見れなくなるというのは困る。

GPS機器の特徴や操作は別記事で説明しようと思います。

トラックログ

GPSは衛星と通信して、現在地の緯度経度を取得してくれます。例.東京駅 北緯:35.6812362、東経:139.7649361
トラックログとは、この取得した緯度経度を一定の時間毎(自分の設定は1分)にGPS本体に記録していく機能です。

この機能もかなり重要です。パソコンと連動させることで、自分の行動記録を正確に残すことができ、色々なことを知ることができます。

カシミール」という無料の地図閲覧ソフトがあり、これで取り込むことで、地図上にトラックログを表示させることができます。これにより、自分がどこで時間を食ったのか?ペースは妥当か?などの判断ができます。
また、高度推移のグラフも見ることができます。

デジカメと連動することで、写真を地図にマッピングすることができ、この写真はどこで取ったものというのも、わかるようになります。

また、トラックログはGoogleMapにも表示させることができますし、当ブログのような地図上にも表示させることができます。

その他の機能

GPSでは色々な機能が付いていますが、他に私が良く使うのは、高度計と時計機能です。そもそも腕時計をしないので、山ではこれが私の時計になっています。

GPSのデメリット

デメリットは全くないというのが私の現時点での結論です。

スマホの台頭

これは、iPhone8でFieldAccessというアプリを使った例です。PCと同じ塔ノ岳のルートを表示しています。
日帰り、一般ルートの登山では、スマホでも行けるような気がします。

GPSとカシミールを使えば、10年以上前からこのようなことができましたが、この数年の進化でスマホでも同等のことができるようになっています。では、スマホで置き換えできないか?と以前に検討したことがありますが、GPS専用機が現時点での最適解というのが、その時出た結論です。

1つとして電池の持ちがあります。私のGPSだと単三電池2本で17時間持ちます。スマホでGPS付けっぱなしだとバッテリーの消耗がかなり激しいです。また、ロギングするにはスマホのアプリを立ち上げっぱなしにする必要があり、誤操作でオフにしてしまったり、立ち上げっぱなしでスマホが不安定になるなど、専用機に比べると操作性や信頼性が今一つでした。

また、受信感度の違いもあります。昔の山岳GPSは、少しでも空が見えない状況になると、衛星を捉えられなくなることが良くありましたが、山岳GPSも進化しており、室内にいても受信できるほど感度が上がっています。この受信感度においてスマホはやはり山岳GPSに劣ります

しかし、スマホの進化もそれ以上に凄いので、感度という意味では、近いうち追いつくかもしれません。時間があれば、スマホと専用GPSの比較評価をまたやってみたいと思います。

次回は、山岳GPSの使い方を説明します。

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