登山用コッフェルの選び方

テント泊ではコッフェル(鍋)は必須道具となります。ここでは、選び方を説明すると共に、所有品と自分なりの考えを記事にします。選ぶポイントとしては、大きさ・材質・形状・フライパン有無 になります。

大きさ(容量)

まず、縦走や沢泊の様に自分でコッフェルを携行する場合は、軽くコンパクトに収まる登山用コッフェルを持った方がいいですが、オートキャンプの様に車で運ぶ場合は、登山用でなくても良いと思っています。

大きさは調理する人数で決まります。
1人用、2~3人用、3~5人用など、セットで売られています。単体で販売しているメーカーもあります。感覚的には1人当たり1~2Lという感じです。単独か?少人数パーティーか?大人数パーティーか?で決めていきます。

また、料理の品数や手間のかけ方によっても、選び方は変わってきます。レトルト中心のメニュー構成なら、お湯だけが必要なので、コッフェルの数も必要ありません。また、縦走でも小屋利用なら、飲み物中心になるので同様です。
一方で、素材から複数メニューを調理する場合は、容量や数も必要になってくると思います。

ちなみに、お湯中心で割り切った製品の一つとして、熱効率を最大化させたJETBOILがあります。一般ルートの尾根歩きなら、これで十分かもしれません。

材質(コーティング)

・アルミ
・ステンレス
・チタン
上記の素材が登山用コッフェルとして売られていますが、アルミにアルマイト加工などコーティングしたものが主流です。というか、登山用として売られている製品の95%位がアルミで、オートキャンプ用にステンレス製が一部ある程度です。アルミが選ばれるのは、軽いのと熱伝導が良いからです。

ただ、アルミは強度と耐腐食性が今一つなこと、ガチガチにスス汚れや油汚れが付いた時、汚れを取りづらいことが自分としては少し気になるところです。
一方でステンレスは、酸素系漂白剤でピカピカになるし、金タワシでゴシゴシに洗っても大丈夫です。少々重くなっても、ステンレス製の角型コッフェルが自分の理想です。

形状(スタッキング)

形状はどこのメーカーも似たり寄ったりで、あえて言うとスタッキング性になると思います。また、角型と丸形の選択肢がありますが、市販されている殆どが丸形で、角型を選ぶ場合は殆ど選択肢がありません。また、角型は大型サイズがありません。

ちなみに、私は角型コッフェル信者です。ソロ中心の使い方をする場合、是非選択肢に入れてみてください

・パッキングしやすい
・角でお湯を注げる
・中鍋にインスタントラーメンがすっぽり入る

広げるとこんな感じですが、

スタッキング(入れ子)すると、こんな感じになり、

蓋をすると、こんな感じに収まります。
※フライパン汚れ過ぎで、すいません。

フライパン有無

小屋泊やレトルト中心の場合、お湯を沸かすだけ足りるので、フライパンは不要です。しかし、調理の幅を広げるとなると、やはりフライパンは欲しいところです。

セット品パーツとして、フライパンの入ったモデルもあるので、選ぶ際の基準になります。別メーカーの製品だけど、うまくスタッキングができる場合もあります。後に紹介する、私のフライパンは別メーカーのものを組み合わせています。

特に沢泊だと、どうしても動物性の油が取りづらくなります。そこで、フライパンでベーコンやコンビーフを炒めたり、ムニエルを作ったりします。時に天ぷらもします。フライパンがあるとメニューの幅が広がります。

自分の場合(ソロ)

ユニフレーム 山クッカー 角型
中:1.0L、12.7×12.7×7.45cm、204g
小:0.6L、10.8×10.8×6.4cm、139g
フライパン:13×奥行13×3.4cm、106g
セット収納時:14×14.7×8.8、449g
素材はアルミで、フライパンはアルマイト加工が施されています。

スタッキング収納するとこんな感じ。

持って行くときは、中にバーナーを入れます。

収納袋もついています。
荷物は極力コンパクトにしたい為、食器もこれで兼ねています。しかし、コップは別持ちします。コッフェルでは飲みづらく、フチが熱くなる為です。

カラトリーも含めると、ソロテント泊で持って行くのはこの一式です。

こんな感じに纏まります。
ちなみに高校生の時から角型クッカーを使っており、これで3代目です。

初代はこんなボロボロ、焚火にもガンガン使っていました。

アルミが腐食して、穴が開いてしまいましたので、引退させました。

自分の場合(パーティ)

こららはすべて個別に買っていますが、スタッキング可能です。
2人→小・中、3~4人→小・中・大、というように調理する人数で持って行く組み合わせを変えます。

ホットン ビリー缶 小
1.1L、Φ13.4×12.7cm、204g
高校生の時にICI石井スポーツ本店で購入。まだ新大久保にお店があったころです。沢屋ご用達の鍋で、焚火にかけることを前提とした吊り手が付いています。
高さがある為、ガスコンロに乗せても、バランスを保ってくれます。蓋はフライパンとしても、食器としても使える深い作りになっています。素材はアルミ製です。

ビリー缶といえば、このブルドック刻印がチャーミングですが、ずいぶん前に倒産してしまい、もう手に入らなくなってしまいました。

ホットン社 ビリー缶 中
1.7L、Φ16.0×13.6cm、264g

ビリー缶の中・小は勿論スタッキング可能です。あまりに汚れていた為、ブログに載せるにあたり、クレンザーで磨きました。

キャラバン 渓流コッヘル 大
2.9L、Φ18.9×15.3cm、299g
ビリー社が倒産して何年か後に、キャラバンが同様の製品を出してくれました。よほど沢屋からの需要があったのでしょうか。サイズ感はほとんど変わりませんが、表面加工や作りが少し違います。
今は、DUG(ダグ) という会社が販売しているようです。

もちろん、このように小・中・大のスタッキングができます。

エバニュー フライパンセット 18cm
アルミ、アルマイト加工済み。
これも高校生から使っていますが、奇跡的に箱が残っています。フライ返しは日常でも使用しており、大分ヘタレたので捨ててしまいした。

そしてこのフライパン、焚火缶にピッタリはまります。
セット品でないものが、ぴったり収まるという、自分ならではの組み合わせを探すのも面白いです。