北アルプス・槍穂高岳縦走・後半

  • 2020年5月24日

前回「北アルプス・槍穂高岳縦走・前半」に続き、後半になります。

3日目

朝食を済ませ、南岳小屋を出ます。
この天気で大分迷いましたが、キレットを目指すことに決めました。

最初は一気に下ります。鉄梯子もあり。

下ってきたところを振り返るとこんな風景。

長谷川ピーク。昭和時代に同所付近で滑落して救助された法政大学の学生に由来しているそうです。「長谷川恒夫」から来ているのかと思ってました。

ガスが一瞬抜け為、槍方面の尾根筋をパチリ。

穂高岳方面はこんな感じ。登山道どこにあるんだよ、と言いたくなるような光景。

少し広くなっている場所で、ザックを降ろし少し休憩。

ガスが一瞬抜けてきたので、写真をパチリ。
信州側からの雲がキレットに引っかかっています。ガスがなかったら、凄い迫力なんでしょう。

飛騨泣きの手前で、また一瞬ガスが抜けてきました。飛騨側です。
キレット通過中、信州側(涸沢など)はガスが抜けることは一度もありませんでした。

いよいよ、飛騨泣きです。
今回ルートで一番の難所かもしれない所です。両脇は超急斜面で落ちたら完全にアウトな状況です。ガスで周辺20m位しか見通せないですが、晴れていたら高度感は半端ないと思います。

私とは逆方向の穂高側から降りてくる人がいたので、通過を待ちます。キレット通過で出会ったのはこの人だけでした。挨拶がてら、お互いの話をしましたが、西穂から槍までの縦走を行っているそうです。スゴイ。相当鍛えないと私には体力的に無理なルートです。

飛騨泣きのとっかかり。鎖や足場がしっかりしているので、極端に難しくはなかったですが、自身にある恐怖感を如何に無くすかがポイントです。

飛騨泣きを過ぎると、こんな鎖場も出てきました。

そんなこんなで、ようやくキレットを通過し、北穂高小屋に到着。
今回は景色が全くありませんでしたが、ここからの景色は、相当素晴らしいようです。

北穂高岳(3,106m)。
小屋に荷物を置き、北穂高岳山頂へ。小屋から数分で来れます。

涸沢岳(3,110m)通過。
と、いきなり涸沢岳山頂の写真になっていますが、実はこの北穂~涸沢岳のルートが一番大変でした。キレット通過よりも、この区間のほうが危険です。崖を登る50m近い鎖場が連続したり、きわどいルートがずっと続く印象です。
天気が良くなかったのもありますが、写真を撮る余裕がありませんでした。
ここから穂高岳山荘までは広い道を下るだけで、簡単に着きます。

穂高岳山荘。
1~2位を争う高所にある小屋なのに、クラシックを聴けたり、食事が美味しくて有名です。疲れと雨の為、妥協して3日目は小屋泊としました。山小屋でクレジットカード使えるんですね。さすが穂高岳山荘です。

小屋はものすごく快適でした。暖かく乾燥していて(当たり前か)、山の本が沢山あり、周りの人とお互いの山の情報を交換したりして、楽しみました。また、食事の時間帯以外でも、カウンターに行けばラーメン・うどん・カレーなどを注文して食べられます。こういった小屋経営の方々の努力には頭が下がります。

4日目

残念ながらガスは抜けず、奥穂高岳を目指します。

奥穂高岳(3,190m)。
北アルプスの最高峰、日本で3番目に高い山です。
全く持って展望がありません。

吊り尾根から、前穂高岳を目指します。

吊り尾根は、すさまじい景色のルートと聞きましたが、ガスで回り10mしか見えません。
そして、紀美子平(前穂高岳への登山道分岐点)に着きましたが、雨が止む気配がなかった為、今回は前穂をスルーすることとしました。

岳沢小屋。
重太郎新道を下り一気に岳沢小屋まで降ります。尾根から外れると、風は大分やわらぎ、雨も少なくなってきました。
また、ここから上高地までGPSの電池が切れていることに気が付かず、このルートログが取れてませんでした。完全に集中力欠いています。

岳沢を下っていると、上高地が見えてきました。梓川が濁流に。

上高地の遊歩道に入り、ホっと一安心。すると、今回の縦走の達成感がしみじみと込み上げてきます。

河童橋。雨でも上高地は人が結構いるものです。

総評

今回は、メインである槍~穂高の歩きが、ガスにより景色を殆ど見ることができなかったことが悔やまれます。しかし一方で、この雨の中、縦走をやり遂げた達成は十分感じることができました。もともと沢をやってい為、足元が濡れている状況での歩きは自身があったので、雨の中キレットを歩く不安は全くありませんでした。

また、ガスで景色が見れない為に、高度による恐怖感を感じないで済んだという見方もあります。が、やはり景色が欲しかったです。前穂も残しておいたので、別ルートでまた来たいと思います。