登山用ソックスの選び方は、主に下記3点になります。
- 素材
- 厚さ
- 用途
この観点で説明をしつつ、所有品も紹介していきたいと思います。
素材
- ウール
- 化学繊維
- 化繊&ウール
- ネオプレーン
まずコットン(綿)はNGです。肌触りと吸水性はいいのですが、速乾性の観点から山ではソックスだけでなく、衣類全般でコットンという選択肢はありません。
山では昔からウール(羊毛)が好まれてます。その理由は、速乾性と保温性です。多少チクチクしますが、濡れても乾くの早いし保温力が落ちません。一方で夏は涼しめです。化学繊維のものや、ウールに化繊をハイブリッドしたものもあります。
また、ネオプレーンという水の中でも暖かい素材のソックスもあります。これはウェットスーツなどに用いられる素材といえば、イメージが沸くと思います。
厚さ
- 薄手:トレイルランニング、ハイキング
- 中厚手:ハイキング、無雪期登山
- 厚手:無雪期登山、雪山
HP見たら、モンベルは更に「極厚手」「超極厚手」をラインアップしているようです。
履く靴の硬さや重さで、合わせるのが基本です。重い硬い靴ほど厚手に。また、厚手の方が、クッション性と防寒性があります。
用途
目指す山に応じて履く靴が決まり、これに合わせてソックスも決まる感じです。
ハイカットの登山靴や冬山用の靴を履く場合、厚手のソックスを履きます。スニーカーやトレッキングシューズの場合、薄手のソックスで大丈夫です。沢の場合、ネオプレーンのソックスを履いたりもします。
また、縦走のように複数日歩く場合、日数分のソックスを持つことをオススメします。ソックスが湿ったり濡れたりしていると、足の皮膚が水分で柔らかくなり、靴ずれになりやすいです。
縦走をやり始めた頃、荷物を減らすためにソックスを乾燥させながら複数日使い回そうとしましたが、何度も靴擦れになりました。テント場や小屋、寝袋の中で乾かそうとしても、中々乾きません。色々と検討した結果、靴下の使い回しを辞めたら、靴ずれは起こらなくなりました。
この為、縦走の時は他の荷物は最大限削っても、ソックスは日数分持つようにしています。
メーカー
各社出してますが、有名どころは
・スマートウール
・アイスブレーカー
・キャラバン
でしょうか。
所有品紹介
厚手
smartwool PhDアウトドア・ヘビークルー・ブラック
素材:ウール73%、ナイロン25%、ポリウレタン2%
重量:84g
ソックスに定評のあるスマートウールの製品です。フィット感がとてもよく、軽くてコンパクトです。昔の厚手ソックスと比べるとかなり進化しています。縦走用のメインで、下記の通り同じモデルを色違いで3足揃えています。
smartwool PhDアウトドア・ヘビークルー・グリーン
smartwool PhDアウトドア・ヘビークルー・チャコール
トレッキング・ヘビークルー・ローデン
素材:メリノウール70%、ナイロン29%、ポリウレタン1%
重量:101g
PhDアウトドアと比べると、重さと嵩が少し大きいです。
メーカーとモデル不明
重量:133g
この2つは高校生から使っています。今では自宅で冬の寒い時に履くのみです。
色違いでほぼ同じモデルと思われます。
製品の比較。左から「昔のもの・トレッキング・PhDアウトドア」。
見てわかる通り、同じ厚手なのに、こんなに嵩が違います。
「133g・101g・84g」と重量も大分違います。
縦走の時は、日数分ソックスを持つようにしているので、このPhDアウトドアのコンパクトさはかなり秀逸です。
また、フィット感が良く、ゴムがしっかりしているせいかソックスが伸びません。伸びてくると生地が薄くなったり、歩行中に靴の中で遊んだりします。
このコンパクトさとフィット性(伸びにくさ)が「PhDアウトドア・ヘビークルー」をメインになっている理由です。
ネオプレーン
秀山荘 クライムゾーン ウォーターソックス ロング
素材:ネオプレーン(2.0m厚)
重量:162g
沢登りご用達のお店、以前は池袋にあった秀山荘のオリジナル製品です。薄手のネオプレーン製で脛までカバーするモデルです。昔は餌釣りで、渓にずっと立ち尽くしている機会が多かったので、冷え対策として膝までのモデルを使用していました。同じ製品を2セット所有。
モンベル ネオプレン プレーンソックス
素材:ネオプレーン(2.5m厚)
重量:137g
脛までカバーしないモデルも一時期使用。
ネオプレーン・ソックス代替
ファイントラック スパイルフィル アルパインソックスレギュラー
重量:84g
素材:ポリエステル63%、ウール19%、ナイロン17%、ポリウレタン1%
ファイントラックといえば、沢登りの衣類に革命的な製品を生み出した新進気鋭のメーカーです。
この製品を購入した理由は、渓流釣りや沢登りの為です。元々釣りではネオプレーン・ソックスを使用していましたが、沢の世界にのめりこむほど奥地に入り込むようになりました。アプローチに時間を費やすようになると、ネオプレーンだとムレが半端ない為、このソックスに切り替えました。
また、釣り方も「餌釣り→ルアー→テンカラ」と変わってきた為、川の中にずっと立ち尽くすという機会が減り、ネオプレーン程の暖かさも必要でなくなってきたという点もあります。
現在、源流釣りや沢登りでは、このソックスを使用しています。同モデルを2セット所有。
この製品は廃盤となり、現在は後継品「メリノスピン・ソックス」が出ているようです。
【2022/5/15追記】
スパイフィル・アルパインソックスがへたってきて全体的にゴムが緩くなってきた為、小雲取谷では踵に靴擦れができてしまいました。また、繊維が崩れてきたのかやたらチクチクしたので、新しい沢ソックスを購入することにしました。
重量:105g(Mサイズ)
素材:アクリル42%、コットン42%、ポリエステル10%、ナイロン4%、ポリウレタン2%
最初はファイントラックの後継品であるメリノスピン・ソックスで考えてましたが、「サワグルイ」というブログで紹介されていたキャラバンのドラロン・マダラックスというのを試してみることにしました。
中厚手で、左右分けて作られています。これまで使ってきたスパイフィル・アルパインソックスに比べ、ひと回り分厚いです。
キャラバンはどの製品も悪かった記憶がないので、信頼しているメーカーの一つです。しかも、ファイントラックに比べキャラバンは価格設定が安めなのも良い点です。
総評
・沢登や源流釣りでは「メリノスピン・ソックス」
・トレイルランやスニーカーを履く場合は薄手のソックスを「smartwool」から選ぶ。