沢でのザイル確保について その2

前回、「沢でのザイル確保について その1」の続きになります。

ここでは、登攀やトラバースの技術を記載しています。事前に本や講習会等で技術をしっかりと身に付けてからでないと危険なので、あくまでも自己責任の元、参考にしていただければと思います。

私の場合、沢登りや源流釣りでは登攀は基本行いません。しかし、技術を知っておくと、いざという時に役立つと思い、紹介します。

 

ザイルの使い方(登攀技術[パーティ])

リード・クライミングのザイル確保

沢でザイル登攀する場合、リード・クライミングの技術を使用します。リード・クライミングは、ザイルを付けたトップが中間支点を取りながら登り進め、トップが滑落した際に、ビレイヤーがトップを確保するシステムです。

 

トップのビレイ

 

 

トップが滑落をした際、ビレイヤーはビレイ器具で制動をかけて止めます。ビレイヤーの体重で滑落を止めますが、ザイルが伸びる為、衝撃はお互いに緩衝されます。トップの滑落距離が長い程、双方の衝撃が大きくなるので、ビレイヤーはトップが落ちそうなタイミングで、ザイルを引き寄せ遊びを無くすのがポイントです。

また、ビレイヤー自身の確保を近くの木立などに取り、トップの滑落時に自分の身体がが持って行かれないようにします。

トップのビレイ方法(ルベルシーノ)

 

送り出し時。下側のザイルを右手で制動の効かない上方向に向け、左手でザイルを送り出します。

ザイルの送り出しが遅れた場合は、トップがザイルに引っ張られ、滑落する危険があるので、声をかてあげます。沢では滝音等で声が届かない可能性があるので、ホイッスルを使ったりします。

 

滑落時。右手を制動の効く下側に下ろし、ザイルを強く握ります。こんなので止まるのかとおもうところですが、滑落距離が短い程、難なく止まります。滑落距離が長い時は、衝撃時にビレイヤーも中に浮いたりするので、ビレイヤー自体の確保も必ず行う必要があります。また、右手はザイルから絶対離してはいけません。

トップのビレイ方法(豚鼻)

 

送り出し時。構造が少し違うだけで、操作は基本同じです。

 

滑落時。同様に右手のザイルを下に降ろして、制動を効かせます。

支点の取り方

支点は滑落を止める最重要ポイントです。しっかりとした支点を取るのが何より大切ですが、支点の間隔も重要です。支点の間隔が長いと滑落時の距離が長くなります。また、間隔が短いと支点作りに時間がかかる為、遡行ににスピーディーさが無くなくなってしまいます。

 

沢では木立などを積極的に利用し支点を取ります。自然物を利用できない時はハーケン等の器具を使用します。支点を作る器具はハーケン以外に、ナッツやカム、ボルトなどがあります。

 

セカンドのビレイ

トップが登り切った後は、ザイルを固定して、セカンドはザイルの末端をハーネスに結んでから登ります。セカンドの確保は、制動器具を使用してトップが行います。

 

 

 

セカンドのビレイ方法(豚鼻)

ビレイ器具の制動原理は同じですが、固定したカラビナを介してザイルの引っ張る方向が180°変わること、セカンドが登るに従いザイルを手繰り寄せること(送り出しの逆)、この2点が異なる点です。

 

ザイル手繰り寄せ時。

 

制動時。ビレイ器具の下側にザイルを引っ張り制動を効かせます。

セカンドのビレイ方法(ルベルシーノ)

 

ルベルシーノは、豚鼻の様にボディビレイでセカンドの確保をすることもできますが、セルフブレーキ機能を使うことができます(手を離しても制動が効く)。写真の様に、固定したカラビナにルベルシーノを直接ぶら下げて使いますが、セカンドの滑落時は手元のザイルを引っ張らなくても、自動的に止まります。ルベルシーノを通ったセカンド側のザイルが手元のザイルを上から押さえつける形となり、ザイル同士の摩擦で停止する原理です。

ザイルの使い方(トラバース)

考え方は登攀と同じです。

 

 

その他

ソロの登攀技術も記載するつもりでした。しかし、システムが確立されていない為、さんざん悩んだ挙句にここでは取り上げることをやめました。機が熟せば、紹介したいと思います。