今回は、裏銀座縦走の記事にしてみました。
裏銀座ルートとは、大人気の表銀座の尾根より、もう一つ西側の尾根になり、より山深い尾根道を歩きができる、槍ヶ岳へ西側より到達するルートです。
槍ヶ岳は東西南北に尾根が延びており、東面(表銀座ルート)、西面(裏銀座ルート)、南面(槍-奥穂ルート)、北面(北鎌尾根)となっています。表銀座、大キレットを経験したので、今度は西側から槍ヶ岳を目指そうという狙いです。
ちなみに、北鎌尾根は一般ルートでなくバリエーションルートとなり(登山道の点線がない)、とても危険です。有名登山家である加藤文太郎や松濤明遭難の地で、北アルプスの伝説の一つとなっています。
山行記
日時:2017/8/16(水)〜8/19(土) 前夜発3泊4日 小屋泊
経路:七倉温泉〜高瀬ダム~烏帽子岳〜野口五郎岳~水晶岳 ~ 鷲羽岳 ~ 三俣蓮華岳 ~ 樅沢岳 ~ 槍ヶ岳 ~ 槍平小屋 ~ 新穂高温泉
※16(水):烏帽子小屋、 17(木):三俣山荘、 18(金):槍ヶ岳山荘に宿泊
装備
全て小屋泊なので、結構余裕あります。
1日目
新宿から七倉山荘まで夜行バスが出ていた為、仕事を切り上げた後、夜行バスに乗り込みます。
パーキングにて。
奥秩父縦走を始めて以来、縦走をする時は公共交通機関を使うようになりました。これまでは自家用車でしか山に行ったことがなかったので、バスの予約の仕方・乗り方・休憩の方法・精算の仕方など、最初は勝手が分からず戸惑ったものですが、この時は大分慣れてきました。
公共交通機関は、時間・行動範囲の制約はありますが、自分で運転しなくて良いのは楽です。何より、お酒が飲めるのが最高ですね。
七倉山荘。
まだ真っ暗で、バスから降りたのは2〜3人。私を含め登山者は2人で、バス停小屋で明るくなるのを待ちながら、登山の準備を始めます。ここには温泉があり、七倉温泉と呼ばれています。
朝になるとタクシーが出るようになるので、タクシー乗り場で並びます。この時は山荘泊の夫婦2人とタクシーに乗車。運転手が並び順で乗る組合せを振り分けてくれます。
高瀬ダムまで十数分で着きます。
登山スタート。
ブナ立尾根の登山口。日本3大急登の一つ。登りが永遠に続く感じで、とにかく長かった記憶があります。
タヌキ岩。
途中、同年代の単独行者がほぼ同じペースで歩いていたので、色々と会話を交わします。出かける際に小さい娘に「下りるのになんで登るの?」と言われ、「哲学だな」とぼやいていたのが、何故か妙に記憶に残ってます。
烏帽子小屋。急登は修行僧のように黙々と登ったので、殆ど写真を撮ってませんでした。
可愛らしい高山植物(名前忘れた)。
昼食は小屋でインスタントラーメン。初日はここに泊まります。小屋で休憩していたら雨が止み始めたので、荷物を軽くし、烏帽子岳を目指します。
分岐点あたりから砂地が出てきます。
山頂付近は岩峰帯に変わります。
烏帽子岳(2628m)山頂。岩峰の先っちょにあり、スペースがほとんどありません。
ガスで展望台はなし。
帰路、山ユリがありました。
小屋に戻ると、ずっとガスで見えなかった赤牛岳(2864m)の稜線が望めました。小屋の人たちの話だと、2週間振りだとのこと。この尾根は読売新道が通っていますが、小屋のパーティは奥黒部ヒュッテから、この読売新道を登って来たそうです。マニアックなルートです。
2日目
初日は雨でしたが、2日目は無事晴れました。2日目が裏銀座の1番の見せ所なので、これはラッキーです。
烏帽子山荘から少し下ったところ。池と朝日の組み合わせが眩いです。
三ツ岳を目指します。
一時、勾配のない道になります。
明るくて快適な天に上るような道。
三ツ岳(2845m)の山頂は展望が良く、向かいは赤牛岳です。その後ろには薬師岳(2926m)も見えます。
登ってきたルートを振り返ります。
これから目指す野口五郎岳。奥に槍ヶ岳も見えます。
赤牛岳の正面に来ました。
水晶岳。双耳峰となっており、北アルプスの中でも指折りの格好良さです。
ガスがなく、最高の稜線歩きとなりました。
一旦下って、野口五郎小屋。今回はまだまだ先に進みます。
小屋から少し上がると野口五郎岳(2924m)です。歌手の野口五郎は、この山名が元となっています。
野口五郎からの展望をパノラマ的に写真6枚を並べてみました。赤牛岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜槍ヶ岳。
少し先行くと真砂岳(2862m)があります。
見事なカール状。
槍ヶ岳が綺麗に撮れました。
真砂岳から一旦下り、東沢乗越です。
裏銀座2日目は長時間の歩きになる為、続きは後半に譲ります。