奥秩父・両神山

  • 2020年12月31日

奥秩父の両神山(りょうかみさん)の日帰り冬山行になります。
奥秩父の北部に位置する百名山の一つで、これまで来たことがない山域であった為、いつか訪れたい山でした。古くから信仰の山となっており、登山道中に狛犬の神社があったり、両神という神々しい山名は以下諸説あり、とても興味深いところです。

山名は、イザナギイザナミを祀っていることから両神と呼ぶという説、日本武尊の東征のおりこの山を八日間見ながら通過していったので八日見山と名づけられた説、「龍神を祭る山」が転じて両神山となったという説など、諸説ある。

Wikipedia

山行記

日時:2018/12/30(日) 前夜発日帰り
経路:日向大谷~会所~薄川~清滝非難小屋~両神神社~両神山~七滝沢~会所~日向大谷
天気:晴れ

1日目

日向大谷の駐車場。奥秩父の北部の為、今回は車で関越の花園からR140→R299→R279で来ました。初めての山域に入るのはワクワク感があります。準備中に車が1台来て、挨拶したところ、登山者でした。

登山道前の案内図。地図やネットにない情報があるので、要チェックです。

目の前には、味のある民宿があります。

民宿の階段を上り、民宿の前を通り更に奥に行くと、登山道が始まります。

暫くは平坦な道が続きます。会所で登山道は分岐し、登りは薄川沿いのルートを、下りは七滝沢ルートを取ることにしました。

途中、雷神様?のような石像あり。

弘法井戸。淡々と登り続けていると、水場が出てきました。もう少しで、非難小屋です。

清滝非難小屋。非難小屋にしては、随分大きい建物でした。ここからは沢沿いでなく、尾根道になるので周囲が明るくなります。

両神神社。小屋から暫く登ると、神社に着きました。鳥居の両側には狛犬の石像が待ち構えています。

狛犬(左側)

狛犬(右側)

両神神社では犬神として崇められ、これはニホンオオカミとのこと。奥秩父はニホンオオカミの伝説が数多く残る地域で、とても興味深いところです。

少し先に行くと、こんな感じです。犬が神様というのは、何か愛着が沸きます。

両神山(1,723m)。山頂に到着。

両神神社の社殿が山頂にもあります。山頂で景色を眺めていると、行者様2人が来て、大きいホラ貝の笛を吹いていました。せっかくの機会なので、話しかけたところ、色々な話をしてくれました。

ガスが完璧に抜けたこの見事な景色。山からの最高のプレゼントです。

奥に富士山も見えます。山頂に長く滞在してしまい、その後2パーティが来ました。お互いの山行経歴や情報を交換しつつ、気持ちのいい時間を過ごします。

名残惜しいですが、下山します。一部凍結しています。

一部鎖場もあります。帰路は七滝沢ルートを取ります。

中々の急坂で、途中見事な滝も現れます。

昼食は、蒙古タンメンのインスタント。寒い時は辛い物を食べると、体が温まります。

どんどん下ります。冬や春先の葉のない森は、独特の味わいがあります。

会所を通過したあたりで、山頂で出会った行者様2人を見かけました。白装束に草鞋というスタイルは今の便利すぎる登山道具に対し、考えさせるのものがあります。距離が離れていたので、特に会話はせずに通過しました。

無事下山。出発時の2人パーティの車はまだ登山中のようです、途中会いませんでしたが、どのルートを取ったのでしょう。

総評

奥秩父は、やはり「自分が大好きな山域だな」というのが第一印象として強烈に残りました。

まず、丹沢や奥多摩のように堰堤がなく、自然が多く残されていること。山岳信仰としての手が入った人臭さはありますが、堰堤や林道による人工的な自然破壊がないのが、人と自然の距離感が丁度いいというのか、とても心地よいです。

奥秩父はニホンオオカミ発見の報道が未だにあったりして、非常にロマン溢れる山域でもあります。雲取山の狼平を始め、三峰神社を始め随所の神社に狼を祭った形跡があります。

釣り好き山好きから始まって、こういった各地の文化や信仰を知ることができたのは、とても良い経験です。三峰神社はまだ行ったことありませんが、自分の通いまくった大洞川沿いにあるので、機会があればぜひ行って訪れたい神社の一つでもあります。