GWに奥多摩の小雲取谷に行ってきました。
小雲取谷は、日原川の源流部である大雲取谷の支流で、苔むした庭園の様な沢と言われています。大雲取谷は過去に何回も行きましたが、小雲取谷は分岐を眺めるに留まっていた為、いつか行きたいと思っていました。釣りというより、沢登りで行きたかった沢です。
記録を遡ってみると、日原川水系は2015年に唐松谷に行ったのが最後で、なんと7年振りになります。
沢行記
日時:2022/5/4(水) 前夜発日帰り
経路:八丁橋~日原林道~大ダワ林道~大雲取谷~小雲取谷〜稜線(小雲取山)〜富田新道〜日原林道〜八丁橋
天気:晴れ
遡行記録
八丁橋。ゲートはやはり閉まってました。GWということもあり、広場は車で埋まっている為、少し戻った空きスペースに止めます。バードウォッチングに来ていた人と簡単に会話をし、身支度をしてスタート。
日原林道をテクテク歩くこと1時間、ようやく唐松谷へ至る富田新道分岐を通過します。富田新道は途中で唐松林道に分岐しますが、唐松林道は通行止となっている様です。
日原林道を更に歩き続け、ようやく大ダワ林道分岐に到着。ここから先の大ダワ林道は崖崩れにより通行止めとなっています。この為、今回の作戦は、大ダワ林道を歩ける所まで歩き、危なそうなら大雲取谷に降りて、沢登りを開始しようという考えです。
長沢谷。大ダワ林道に入り、少し進むと長沢谷を通過しますが、結構な広場となっており、2パーティーがキャンプをしていました。
大ダワ林道は2011年位の崖崩れ以降、ずっと通行止めらしく、新しい地図では廃道となっています。しかし、思った以上に踏まれている為、そこまで歩きづらいということはありませんでした。
※沢やってない人だと危険かも。
木道もありますが、今では登山道として整備されていない為、慎重に渡ります。
大ダワ林道はまだまだ進めそうでしたが、ちょうど降りやすいポイントがあった為、大雲取谷に降りました。
GWの天候の良い日を狙ってきた為、最高に気持ち良いです。そして新緑が瑞々しい。
少し進むと2条の滝。
ここの左岸が大ダワ林道の崩壊地の一つらしく、こんな感じです。
天気だと、渓も映えます。
懸垂下降。まさか大雲取谷でザイル出すとは思いませんでした。毎回のことですが、シーズン1発目は沢感が鈍っている為、滝を登れるかどうかの判断や、高巻きルートの取り方が適切でなかったりします。
小雲取谷分岐。左が小雲取谷、右が大雲取谷です。小雲取谷の方は小滝で合流しているので迫力があり、水量も1:1位に見えますが、本谷はあくまでも右の大雲取谷です。
小雲取谷出会いを正面から。倒木が折り重なってます。
出会い以降、小規模な連瀑帯が続きます。
数日前の雨の影響か、思ったより水量があり楽しめそう。
沢登り目的ですが、一応竿を出します。水温は冷たく活性がかなり低いです。それでもなんとか岩魚の顔を拝むことができました。
奥多摩でもここまで奥に入ると、新緑全開というには少し早く、5月中旬〜下旬がベストかもしれません。
この滝は右岸を巻きました。
右から綺麗な沢がはいります。ここで水を汲みます。
ここは軽いシャワークライミングで水流右を直登。
岩苔のモフモフが気持ちいい。ここまで岩苔が発達してる沢は珍しいかも。
拡大してみると、杉の葉のような形状をしており、ちょっとびっくり。
岩苔に囲まれた谷と綺麗な小滝。美しい…
そして、ついに沢の水が無くなります。
数ヶ所、雪が残ってました。水が冷たいはずだ。
バイケイソウ。ウルイと間違えやすいですが、これは毒草。
最後の詰めは傾斜もあり、相変わらず辛い。
ついに稜線に出ます。
当初は小雲取山まで行く予定でしたが、時間が遅くなった為、省略しました。
帰途、ヘッデンを付けて林道を歩き、八丁橋迄無事に生還。
総評
小雲取谷は事前情報通り苔むした渓谷で、とても味わい深い沢でした。また、悪場はなく快適に登れる滝がほとんどで、水量も想像以上に多かったです。
なにより、新緑の森は瑞々しさや爽快感が素晴らしく、一番好きな季節です。もう少し言えば、奥多摩の最深部はGWでは新緑のタイミングとしては少し早く、5月中旬から5月下旬がベストに思います。
中学高校時代から来ていた奥多摩の谷。その中でも、奥多摩駅近辺で多摩川に合流する日原川水系は、これまで数多く通ってきました。首都圏にも関わらず、山深く数多くの魅力的な沢を持ち、下から川乗谷・倉沢谷・小川谷・孫惣谷・唐松谷・長沢谷・小雲取谷・大雲取谷と続き、最終的には雲取山に突き上げます。
日原川水系は中学高校時代、社会人になってからは2003〜2005年頃に釣りでよく来ましたが、沢登り目的で改めてこれらの沢を再訪するのも面白いかもしれません。